『硝子細工のキャラバン』



ビルの谷間

孤独たちが群れをなして歩いている

まるでキャラバンのように




さらさらと砂の音

耳を打つ風の声

蜃気楼に揺れる街は

泡沫の楼閣




振り返れば

砂の街をキャラバンが往く

足許の砂も風に流されて




ねえ

すべてが移ろいゆくこの世界で

硝子の砂をさがしてもいいですか

きらきら

砂の色

手の中に幻の水

キャラバンの孤独




「何も怖くない」

そう言ったのは嘘

だけどつらい訳じゃない

希望をさがしてキャラバンは往く

風の中

アスファルトの砂丘を越え

未来をさがして

歩いてゆく




遠ざかるキャラバン

・・・わたしはひとり・・・















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